素敵な言葉があったなぁと
でも詳しくは忘れちゃったなぁと
かつての上司話ついでに思い出したことを調べてみた
その言葉と出会ったのは
相変わらずの雑音で
いつも通り超満員の山手線
いつもと同じ車両
いつもの駅
その駅で停車すると必ず目の前にある広告
ファッションビルのそれは
季節ごとに衣替えをする
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う』
鮮やかな写真とともに紡がれていたその言葉
短いその1文の説得力にただただ感動した
その言葉の爽やかさは恋をしていなくとも甘酸っぱさを与えてくれた
色に例えると毎日がどんよりとした鉛色の通勤路だったけど
あの日のあの広告の前は濃淡混じったピンク色だった
言葉は時として武器になる
傷つけたと思って傷つけようと思って出した言葉
1番近くで聞いているのは自分の耳
相手にぶつけたつもりの言葉で苦しむのは自分
それに気づいたなら
もう出す言葉は選べるはず